にわつる誕生の秘話とこれから見据える群馬の未来

本文スマホの画面の向こう側で、日々消費されていく数多のショート動画。効率や「バズ」ばかりがもてはやされる現代のSNS市場において、
群馬から全く異なる体温を持った発信を続けるチームがあります。

元・理学療法士の青年たちが立ち上げた。

群馬特化型メディア「にわつる」

代表の綿貫さんと齋藤さんの口から語られたのは、単なるインフルエンサーの成功譚ではなく、挫折と孤独、そして「本当に大切なものは何か」を見つめ直す、泥臭くも温かい人間ドラマでした。

彼らの物語は、群馬県内の大学の「理学療法学科」から始まります。一般的な大学生活とは異なり、医療系の学科は高校のクラスのように、4年間ずっと同じ顔ぶれで同じ授業を受け続けます。そこで出会ったのが、運命の始まりでした。

綿貫さん 
本当に仲が良くて、僕らと他2人の男4人で群馬から九州まで、自分たちの車で4泊5日の旅行をしたこともあります。一番の笑い話は、埼玉の病院での見学実習ですね。手配ミスがあって、男2人でツインではなく『ダブルベッド』で1週間寝泊まりする羽目になりました。そんな笑い話の裏にあるのは、互いの長所も短所も知り尽くした、強固な信頼関係です。彼らが起業へと踏み出したのは、単なる「仲良しグループだから」という安易な理由ではありません。


単なる友達同士の起業ではないんです。共に切磋琢磨して同じ目標を目指していた同志だったからこそ、お互いの強みを理解しています。考えや価値観が合い、目指したいビジョンも相まって起業を決めました。それはまるで、適材適所で木を組み上げる建築のように、理にかなったチームの始まりでした。

大学卒業後、彼らは一度、全く別の道を歩み始めます。そして、それぞれが「異なる違和感と気づき」を経たことで、再び群馬という地で交差することになるのです。綿貫さんが身を置いたのは、東京某所にある超富裕層向けのリハビリテーション病院でした。1日の入院費が10万円を超えるその場所には、著名な元プロスポーツ選手や、経営者などの人々が次々と訪れました。最前線のビジネスに触れ、強烈な「起業」への刺激を受ける一方で、東京の人ごみに綿貫さんの心は少しずつ疲弊していました。

綿貫さん 
渋谷の人混みや、東京の環境そのものが肌に合わず、嫌いになってしまったんです。そんな時にコロナ禍になり、外出もできなくなって。ふと立ち止まった時に『あ、群馬ってめっちゃいい所かも』と再認識しました。

にわつる 綿貫さん


効率とスピードが支配する東京から降りることを選び、綿貫さんは結婚を機に3年前、群馬へのUターンを決意します。

一方、埼玉で理学療法士として働いていた齋藤さんを襲ったのは、突然の「身体の不調」でした。
突発性難聴を発症し、体調回復のため、1週間の入院生活に直面します。

齋藤さん
もしこのまま体が動かなくなったら、理学療法士としての収入は途絶える。別のスキルを身に着けておきたい。

インタビューを受けるにわつる齋藤さん
にわつる 齋藤さん


強烈な危機感から、齋藤さんは病室でSNS運用を学び始めます。結果としてライフハック系の発信が当たり、最大14万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーへと成長しました。しかし、彼を待っていたのは「孤独」でした。

十数万という数字(フォロワー)を稼いでも、一人で企画し、投稿し、収益化する毎日に、齋藤さんは次第にやりがいを失っていきました。画面の向こうの不特定多数ではなく、顔の見える仲間と共に売上を作り、地域や社会に直接貢献したい。そんな想いが膨らむ中、二人は再びタッグを組みます。

転機となったのは、綿貫さんの前職である介護会社での経験でした。若い人材の採用が難しく、人が定着しにくい介護業界という環境の中で、綿貫さんは試験的にSNS運用を導入します。すると、毎月10名ほどの見学・面接希望者が訪れ、年間10数名もの若手採用に成功したのです。


綿貫さんは、齋藤さんに構想を打ち明けます。そこで齋藤さんから返ってきたのが、運命を決定づけるアドバイスでした。

『介護』という特定の業界だけでなく、『群馬』という地域ジャンルで括った方が、より大きなインパクトを生み、もっと多くの人を救えるはず。

この齋藤さんの言葉によって視界が開け、群馬特化アカウント「にわつる」は産声を上げました。東京の喧騒から逃れ、群馬の温かさに安堵した綿貫さん。デジタル世界の孤独を知り、リアルな仲間との手触りを求めた齋藤さん。

全く異なるルートを辿った二人の想いが「群馬を救う」という一つの使命で力強く重なった瞬間でした。

にわつるが今、一番の軸としているのは「成果」にコミットすることです。フォロワーを増やすことや、綺麗な動画を作ること自体は、彼らにとってゴールではありません。彼らの採用支援は、あえて「月額固定」の形をとっています。

僕たちが約束するのは、『月に何名、御社の面接に送ります』という明確な結果です。成果報酬ではなく固定費をいただくのは、企業側に「本気で素材提供や撮影に協力する」という覚悟をもってもらうためです。

おすすめのかき氷屋さんを紹介してくれました。


彼らの視線は、目の前のクライアント支援だけにとどまりません。群馬のインフルエンサー市場全体を、健全なものにアップデートするという壮大な目標があります。

正当な報酬が支払われ、同時に企業へも確かな成果をお返しできる市場を作る。そしてゆくゆくは、「群馬の各市町村に、必ず1人は信頼できるローカルインフルエンサーがいる状態」を目指しています。

ただの「バズ」を消費するのではなく、人と地域が豊かに繋がるインフラを築く。彼らの挑戦は、群馬の未来を根本から耕し直す、確かな一歩となっています。

取材を終えて
お二人のお話を聞いていて最も印象的だったのは、群馬への熱い想いと壮大なビジョンです。その背景には、東京の喧騒やデジタルの孤独を知り、理学療法士として人の痛みに寄り添ってきた彼らならではの覚悟があります。

もしあなたが、効率やバズばかりを追い求める現代のスピードに少し疲れを感じているなら、一度「にわつる」の発信を覗いてみてください。そこには、私たちが忘れかけていた「人と地域が繋がる温かさ」が、静かに、しかし力強く息づいています。


にわつる
群馬県を拠点とする集客・採用支援メディア「にわつる」
元・理学理学療法士という異色の経験からSNSを掛け合わせ、群馬特化型のエリアマーケティングを手掛ける。地元企業の課題を解決する「一球入魂」の支援に尽力している。


事業概要 集客・採用支援(エリアマーケティング特化)
IG @niwaturu_gunma


取材・掲載のご依頼もお気軽にどうぞ