開放感のある吹き抜け空間、県内トップクラスの音楽・映像資料、そして「音楽のある街・高崎」ならではの選書――高崎市立中央図書館には、地域の個性がそこかしこに息づいています。単なる本の貸出施設にとどまらず、建物の設計から資料の選定に至るまで、高崎という土地ならではのこだわりが随所に散りばめられているのが大きな特徴です。

高崎市立中央図書館は、2011年4月、現在の高松町へ移転しました。開館以来、館内には各種の自動化システムが導入されており、市民の利便性向上と管理業務の効率化が図られてきました。なお、館内の図書検索端末自体の歴史はさらに古く、平成に入った時にはすでにコンピューターによる資料検索が開始されています。
近年ではウェブ予約サービスも定着しており、幅広い年代の利用者に活用されています。旧来の手続きに比べて記載ミスが減るなど、管理面でのメリットも大きくなっています。図書館全体としても、誰にでも使いやすい検索端末やサービスを目指す取り組みが継続的に行われており、操作に不慣れな利用者に対しては窓口でのサポートも行っています。

建物の特徴
館内は5階・6階部分が吹き抜け構造になっており、天井の高さを生かした開放感のある空間が特徴です。建築の質の高さから建築BCS賞を受賞しています(受賞プレートは1階に掲示しています)。
館内で特に人気が高いのは、正面の窓際に配置された個席スペースです。柱を利用して一人用の席として区切られており、集中しやすい環境と、高崎の街並みを望める眺望を兼ね備えています。土・日曜日などは朝の開館直後から学生を中心に席が埋まることが多く、常連の利用者も多い人気席となっています。
なお、建物の4階から下の階層は高崎市総合保健センターであり、図書館とは別の市の施設として運営されています。



6階は視聴覚資料エリアとなっており、CD・DVDなどの映像・音楽資料を豊富に所蔵しています。DVDは約2万点、CDは約5万6千点を所蔵しており、いずれも群馬県内トップの所蔵数を誇ります。
高崎市は「音楽のある街」を標榜しており、CDはクラシックからジャズ、Jポップ、近年はK-POPまで幅広く、朗読CDや童謡、邦楽(琴・笛など)といった、多種多様なジャンルの資料を収集しています。
また、DVDは邦画・洋画・アニメなどの他に子供向け学習教材や外国語会話、紀行もの、歴史、芸術、スポーツ等多彩なジャンルの資料を収集しています。

また、視聴コーナーには親子での利用や介助者を伴う利用にも対応できる広めのファミリー用ブースも設置しています。
充実した学習環境とシステム
6階には学習室と飲食可能なスペースが設けられています。館内は基本的に飲食不可ですが、蓋付きのペットボトルや水筒に限り、館内での利用が認められています。定期試験や受験シーズンには満席になることも多くあります。
近隣に高校があることから、高校生の利用が多いのも特徴です。学習室は、電卓やタイピングなど一定の音を許容するエリアと、静粛な学習専用エリアに分かれています。以前の図書館(末広町)に比べ、駅からのアクセスが向上したことで、現在の立地に移転して以降、学生の利用者数は大きく増加しています。

特色の一つに、ICタグを活用した予約本の自動貸出システムがあります。所蔵する図書には一冊ごとにICタグが付与されており、予約された図書資料は順不同で予約本コーナーの棚に格納されます。利用者は発券したレシートに記載された棚番号をもとに自分で資料を探し出し、専用の貸出機でセルフ貸出を行う仕組みです。
この仕組みにより、カウンターを経由せずに予約資料を受け取ることができ、貸出内容が他者の目に触れにくいというプライバシー面のメリットもあります。
新聞・雑誌コーナーは日々更新されており、常連利用者が多いエリアです。奥には調べ物コーナーと郷土資料コーナーがあり、高崎・群馬にまつわる歴史資料や地域資料が集められています。

親子で安心して過ごせる「子どもと本」のエリア
5階には絵本・紙芝居・児童書のコーナーがあり、対象年齢によって大まかに区分されています。文字主体の児童書は小学生以上を主な対象としています。
平日は未就学児とその保護者の利用が中心で、放課後や夜間には保護者が子どものために資料を選ぶ姿が多く見られます。土日はより多くの子どもたちで賑わいます。
おはなし会(読み聞かせ)
児童フロアでは、ボランティアによる読み聞かせ(おはなし会)が定期的に開催されています。
- 毎週月曜・木曜 11:00〜11:30
- 毎月第2土曜、第4日曜 11:00~11:30
- 毎月第3火曜 15:00〜15:30
いずれも、現在の建物ができる以前から30年以上にわたって継続されている取り組みであり、各ボランティア団体によって行われています。夏休み期間には、通常より幅広い年齢層の子どもたちに対応するため、開催回数を増やしています。
絵本相談
月1回、絵本の読み聞かせに関する県内有数の実績を持つ専門家による「絵本の読書相談」も実施されています。乳児期から小学生まで、年齢に応じた絵本選びや読書との向き合い方について相談を受け付けており、寄せられた質問と回答は図書館公式サイトの「絵本の読書相談」にまとめて公開されています。同様の悩みを持つ保護者が、来館せずとも参考にできる情報源として活用されています。

高崎市立中央図書館
高崎市高松町5-28
開館時間
午前10時~午後8時(火曜日~金曜日)
午前10時~午後5時(土曜日、日曜日、月曜日、祝日)
休館日
館内整理日(月1回)
特別整理期間(春・秋)
年末年始(12月28日〜翌年1月4日)
HP https://lib.city.takasaki.gunma.jp/
